リハビリテーション科
リハビリテーションとは
国連(1982年)によると 「身体的、精神的、かつまた社会的に最も適した機能水準の達成を可能とすることによって、各個人が自らの人生を変革していくための手段を提供していくことを目指し、かつ時間を限定したプロセスである」と定義されています。
つまり、病気やケガ、加齢に伴って生じる障害に対し、『人生の質』を含め社会生活に適合させる支援の総称と言えます。リハビリテーションには“治す”、“支える”、“活かす”、“予防する”といった意味合いが含まれています。
施設基準
- 脳血管疾患等リハビリテーションⅠ
- 呼吸器リハビリテーションⅠ
- 運動器リハビリテーションⅠ
- 廃用症候群リハビリテーションⅠ
- がん患者リハビリテーション
スタッフ構成
- 医 師 (診療部長)1名
- 理学療法士(PT)18名
- 作業療法士(OT)9名
- 言語聴覚士(ST)5名
- 助 手 1名
当院でリハビリ実施が多い対象疾患(入院)
- 1.脳梗塞
- 2.誤嚥性肺炎
- 3.脳内出血
- 4.手足の骨折
- 5.脊椎圧迫骨折
- 6.硬膜下血種
- 7.心不全
- 8.細菌性肺炎
- 9.変形性関節症
- 10.尿路感染症
当院の特徴
当院の理念である『救急から在宅まで』を目標にリハビリテーションを展開しています。
一般病棟での急性期リハビリテーションでは、“救急救命後の早期リハビリ開始”、“早期離床と日常生活の確立に向けた練習や支援”などに取り組んでいます。入院時から多職種と協業しチーム医療に努めています。
地域包括ケア病棟でのリハビリテーションでは、“その人らしさを尊重した生活能力の拡大”、“自立支援に向けた住環境や福祉用具の調整および介護サービスの検討”、“家族介護の支援”などに取り組んでいます。退院前には必要に応じて在宅医療や介護職との地域連携に努めています。
外来リハビリテーションでは、手の外科術後を中心として当院退院後や外来通院の患者さん(介護保険サービスの利用がない方)を対象に、在宅生活に必要な機能や動作能力の向上へ向けた介入や相談支援を行っています。
現在、当院では年間入院患者さんの約6割の方々に理学療法・作業療法・言語療法を提供しています。加えてリハビリテーションの一層の充実を図るため、令和6年4月より近隣の救急病院に先駆けて『365日稼働』を開始しました。現在、365日体制構築へ向けてマンパワーの拡充や人材育成を進めている所です。

部署からのメッセージ
当科は、医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・助手の32名からなる平均年齢が若い部署です。今年度の療法士の拡充に 伴い、入院患者さんの急性期や在宅復帰への充分な支援体制を目指して鋭意努力してまいります。
リハビリテーション専門職の紹介
理学療法
脳卒中や誤嚥性肺炎、骨折、疾患随伴性の廃用症候群などにより生じる身体障害に対して、入院や手術直後の急性期から積極的に介入しています。ベッド上での呼吸調整運動や手足の関節・筋力運動、動作練習などの運動療法やホットパック・電気治療器を利用した物理療法を組み合わせ、疾患による症状の早期改善や身体機能の向上、起きる・歩くといった基本的動作能力の回復に努めています。近年は高齢者のフレイル(虚弱)状態の早期把握を目的に、栄養状態や体力評価を行っています。外来リハビリテーションでは必要に応じた運動療法や物理療法、杖等の歩行指導を行っています。
作業療法
脳神経外科疾患、上肢骨折、内科疾患などを中心に、日常生活で必要な動作能力の習得を目的に介入しています。介入後、早期に生活背景を把握し“その人らしい生活”の獲得を目指しています。日常生活の動作練習はさることながら、その動作に必要な機能回復練習を行っています。必要に応じて自助具や福祉用具の調整、家族や関係者に対する動作介助の指導を行います。また、物事を考えて実行する能力(高次脳機能障害)や入院に伴う精神的に興奮した状態(せん妄)からの早期離脱など作業活動を通じて精神・認知機能に対する関わりに対しても積極的に介入を行っています。
言語聴覚療法
失語症、高次脳機能障害、構音障害、認知症などによるコミュニケーション障害の“言いたいことが言えない…”という悩みに対して、入院後の早期から介入し、機能回復練習を行いながら適したコミュニケーション手段を支援する体制をとっています。また、高齢者に多い誤嚥性肺炎に対しても、口腔機能の回復・改善と早期離床を入院直後から介入をしています。嚥下機能評価のもと適切な食事形態や姿勢調整、直接的な嚥下練習を行い、多職種と連携をとり口腔状態や栄養状態の改善に向けて協業しながら支援を図っています。長崎県高次脳機能障害者支援センターの協力病院としても登録し、依頼があった際には必要な評価を行っています。
資格取得やセミナーの認定修了者、院外活動について
資格取得者や認定修了者
2024年度 | 公認心理師 |
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2024年度以前 | 3学会合同 呼吸療法認定士(公社) 日本理学療法士協会 認定理学療法士 運動器分野 (公社)日本理学療法士協会 地域ケア会議推進リーダー、介護予防推進リーダー フレイル対策推進マネジャー 福祉住環境コーディネーター 初級障がい者スポーツ指導員 |
2024年度 | 日本コンチネンス協会 中級セミナー修了者 |
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2024年度以前 | がんのリハビリテーション研修会修了者 リハビリテーション専門職団体協議会 訪問リハビリテーション管理者養成研修会STEP3修了者 地域包括ケアに資する地域リハビリテーション専門職認定研修会修了者 (公社)日本理学療法士協会 協会指定管理者(上級)修了者 文部科学省「課題解決型高度医療人材プログラム」長崎大学 地域包括ケア人材養成コース修了者 厚生労働省指定 臨床実習指導者講習会修了者 |
院外活動
2024年度 | 第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会 一般演題 1演題発表 第34回長崎県理学療法学術大会 一般演題 3演題発表 長崎市在宅支援リハビリセンター 淵地区 令和6年度研修会 講師 (公社)長崎県理学療法士協会 保健福祉部 部長 (医療・保健・福祉に関する内容の企画運営など) 長崎県リハビリテーション支援センター協力員 (センター事業への協力など) |
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